コンビニでエロ本を買ったことがない

コンビニでエロ本を買ったことがない

 

ミニストップで成人誌の取り扱いが中止されるとかで、コンビニでエロ本を陳列すること対して議論が巻き起こっている。エロ本が視界に入っただけで児童虐待だから止めるべき、というのはコンビニを公共の施設が何かと勘違いしているように感じるし、そんなことを言いだしたらグラビア写真集や避妊具や辞書や検索結果まで、際限なく規制が叫ばれてしまうようで怖くもある。

しかしそうは言っても、自分にもしも子供ができたりして、近所の同じくらいの距離にエロ本があるコンビニとないコンビニがあったら、後者に行くかもしれない。どっちだよ、と言われそうだけれど、そのくらいの利用者の心がけでいいんじゃないかな。

タイトルの通り僕はコンビニでエロ本を買ったことがない。子供の頃から、コンビニに陳列されている成人雑誌は目に入ることはあったと思うけれど、棚の前で鼻の下を伸ばすこともなければあえて避けるようなこともしなかった。大人向けのコーナーであり、単なる背景の一部として認識していた。

それにしてもどこのコンビニでも成人雑誌の取り扱いがあるということは、それなりに需要があるということだ。パソコンでもスマホでも、検索すればわずか数秒でR18コンテンツにアクセスできる。ジャンルは多岐に渡り、動画・音声・静止画など媒体を問わず、和物から世界各国のコンテンツまでよりどりみどりだ。しかも市販されたら違法になるような、無修正や過激なものだってほとんど境目なく触れることができる。

そんな今の時代にコンビニでエロ本を買う。レンタル店でエロDVDを借りるのはまだ分かる。無料で見られるような動画は画質が悪いため、少しでもよく見たい。目当ての女優の新作をより早く見たい。などといった場合だ。

有料動画配信サービスだってある。ドラマや映画をメインに、別料金で成人コンテンツを用意しているサービスもあれば、特定の女優にピックアップしたもの(海外に多い)、最新作から過去作にいたるまで網羅しているような巨大サイトまで、よほど偏った性的嗜好者でない限り満足できるだろう。

これほど便利なサービスが揃っているというのに、わざわざ店に出向くという手間をかけて、多少なりとも恥ずかしい思いをして、コンビニで成人雑誌を買うのはなぜだろう。

レンタル店だと会員登録が必要だし、店舗数がそう多いわけでもないから、同じ店に通い続けることになり、負担が生じる。またはDVD再生機器を持っていない。動画配信サービスであれば、月額を払うほどではない、そもそもPCが家族共用。クレジットカード・パソコン・ネット環境がない、といった理由が考えられる。

すると、やはり高齢の方が多いのだろうか。パソコンとかネットとか、なんだか小難しそうで面倒だ、と感じてしまう人たちには本という媒体が最も手軽なのかもしれない。僕からすれば、普段は隠しておきたいし捨てる時だって気を使うし、本という形で入手するメリットはほとんどないが、慣れ親しんだ人たちにはむしろそんな手間すら、コンテンツを楽しむ行為の一部なのかもしれない。

そんなわけで少々納得してきた所だが、思い返しても実際にコンビニで成人雑誌を買う人を見たことがない。以前コンビニで深夜バイトをしていた事がある。週5勤務で21時から翌6時まで。4ヶ月くらいこのペースで続けたが、避妊具を買うおじさんや財布に仕込んでいるカップルはいても、エロ本を買いに来る人は1人もいなかった。

勤務前、店長に「深夜に成人向けコーナーの前でズボンを下ろして、いたし始めた奴がいてなぁ。さすがにその時は警察呼んだよ。君も気をつけな。フォッフォ」なんて脅された事があったから、どうやら夜に購入者はいなくても変質者はいるようだ。

自分の祖父もそうだったように、年齢を重ねると人は早寝早起きになる。成人雑誌を買うにせよ、生活リズムを崩してまで店に向かう人は稀なのかもしれない。そして成人向け漫画雑誌などは若い読者も多いので、恐らくそういう層が売り上げを支えているのだろう。

「子供に悪影響が」などと騒がれているが、右往左往しているのは大人ばかりで、当の子供たちはほとんど気にしていないのではないか。なんとなく汚らわしい物、生活圏から避けておきたい物を子供を盾に排除しようとするのは、成人コンテンツよりよっぽど嫌らしいと思うけどな。

 

 

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